校歌・真宗宗歌・記念歌
■札幌大谷中学校・高等学校 校歌
原形は北海高等女学校創立十周年記念の年(大正5年)に作られました。作詞をした堀沢周安(ほりさわ ちかやす)(1869~1941)は香川県出身の教育者。「いなかの四季」「明治節」「大阪市歌」などの詞を残しました。作曲した福井直秋(ふくい なおあき、1877~1963)は富山県出身の作曲家です。武蔵野音楽学校を創設し、新制の武蔵野音楽大学の学長に就任しました。
歌詞の一部は時代とともに、変更されています。札幌大谷は平成20年度から男女共学となり、女子校独自の表現が変更され、現在に至っています。
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■真宗宗歌
大正12年(1923)、浄土真宗が開かれて700年にあたるため、真宗十派が真宗各派協和会(現在の真宗教団連合)を結成し、作詞を公募するなかで作成しました。
作曲は島崎赤太郎(1874~1933)。東京都出身の音楽家で日本最高のオルガニストと言われた人物です。明治期の唱歌の作曲家としても有名です。東京音楽学校を卒業したのち、ニキッシュが校長を務めていたライプツィヒ王立音楽院に学びました。東京音楽学校(東京音楽大学)の教授としては25年間勤めました。
■恩徳讃
親鸞聖人作の「正像末浄土和讃」の第58首目のものです。大正7年(1918)に発表され、以来真宗各派で「真宗宗歌」とともに愛唱されてきました。現在は専ら昭和27年(1952)清水脩作曲の「恩徳讃」が歌われています。
清水脩は(1911~1986)は大阪府出身。大阪大学外国語学部のフランス語科を卒業後、東京音楽学校(現・東京芸術大学)選科に入学する。日本の作曲界の隆盛に尽力しただけでなく、全日本合唱連盟の設立に寄与するなど合唱分野で数多くの作曲を手がけてます。男声合唱の「月光とピエロ」は人口に膾炙(かいしゃ)している名曲です。
■北海高等女学校三十周年記念歌
北海高等女学校三十周年を記念して作られた歌です。東本本願寺智子御裏方(1906~1989久邇宮邦彦王の第三王女。光華女子学園を創設し、初代総裁に就任。大谷婦人会会長や、全日本仏教婦人連盟初代会長を務めた。)から北海高等女学校に賜った和歌を元に作られた歌。昭和12年の創立三十周年記念式典で披露されました。
作曲は下總皖一(しもふさかんいち・1898~1962)。下總皖一は埼玉県生まれの作曲家、音楽教育者。東京音楽学校(現東京藝術大学)で学んだ後、ベルリン芸術大学で、ヒンデミットに師事。帰国後東京芸術大学教授となりました。童謡や唱歌、多くの校歌の作曲も手がけていました。